ドレミの歌の英語歌詞は意味が真逆?原曲の真相とカタカナ発音を徹底解説
日本人の誰もが幼少期に親しんだ「ドはドーナツのド、レはレモンのレ」というおなじみのメロディ。だが、原曲であるミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』の英語歌詞に初めて触れた際、「ドーナツもレモンも一切出てこない」という事実に衝撃を受けた経験を持つ人は少なくありません。
小学校での英語教科化や幼児期からのリスニング教育が定着した2026年現在、知育教材や動画配信サービスを通じて原曲の「Do-Re-Mi」に触れる機会が急増しています。英語圏の子どもたちが音階(ソルフェージュ)を覚えるために作られた原曲には、英語特有の巧みな「言葉遊び(同音異義語)」と、美しい発音を身につけるためのエッセンスが凝縮されています。本作の誕生秘話から日本語訳詞との劇的な違い、ネイティブに近い歌い方のコツまでを徹底的に解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:原曲の英語歌詞は「Doe(雌鹿)」や「Ray(太陽の光線)」など、音階名と同音の英単語をあてはめた緻密な言葉遊びで構成されている。
- 要点2:ペギー葉山氏による日本語版は直訳ではなく、昭和30年代の子どもたちに親しみやすい具体物を独自に配した世界的にも稀有な傑作超訳である。
- 要点3:英語特有のリンキング(音の連結)と母音の脱落を意識することで、リズム感を損なわずに原曲を劇中同様の美しさで歌いこなせる。
【原曲の全貌】『サウンド・オブ・ミュージック』ドレミの歌の英語歌詞・カタカナ・和訳一覧
映画『サウンド・オブ・ミュージック』において、家庭教師のマリアがトラップ家の子どもたちに歌の楽しさを教える名場面で歌われる「Do-Re-Mi」。作詞を手がけたオスカー・ハマースタイン2世は、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・ティの各音階に、完全に音が一致する英単語をパズルのように配置しました。
まずは、原曲の英語歌詞、歌いやすさを追求した実践的カタカナ表記、そして本来の意味を忠実に再現した現代語和訳を1番から順に確認していきます。
【Doe, a deer(ドレミの歌)の歌詞・発音・和訳】
Doe, a deer, a female deer
(カタカナ発音:ドゥ ア ディァ ア フィーメイル ディァ)
【和訳】:ドは鹿(シカ)、雌(めす)のシカのこと
Ray, a drop of golden sun
(カタカナ発音:レイ ア ドロッポヴ ゴールデン サン)
【和訳】:レは光線(ひかり)、黄金に輝く太陽のひとしずく
Me, a name I call myself
(カタカナ発音:ミー ア ネイマィ コール マイセルフ)
【和訳】:ミは私(わたし)、自分自身を呼ぶときの名前
Far, a long, long way to run
(カタカナ発音:ファー ア ロングロング ウェイ トゥ ラン)
【和訳】:ファは遠い(とおい)、走っていくにはずっと遠い道のり
Sew, a needle pulling thread
(カタカナ発音:ソウ ア ニードゥル プリング スレッド)
【和訳】:ソ(ソウ)は縫うこと、糸を通した針を引っぱって
La, a note to follow Sew
(カタカナ発音:ラ ア ノウトゥ フォロウ ソウ)
【和訳】:ラは音符(おんぷ)、「ソ(Sew)」の次に続く音
Tea, a drink with jam and bread
(カタカナ発音:ティー ア ドリンク ウィズ ジャム エン ブレッド)
【和訳】:ティ(シ)はお茶(紅茶)、ジャムとパンと一緒に飲む飲み物
That will bring us back to Do (oh-oh-oh)
(カタカナ発音:ザッ ウィル ブリング アス バック トゥ ドゥ)
【和訳】:これでまた、はじめの「ド」へと戻ってくるの

【徹底比較】「ドーナツ」は存在しない?原曲の英語とペギー葉山訳詞の決定的な違い
原曲の和訳を見て驚くのが、日本語版でおなじみの「ドーナツ」「レモン」「ミカン」といった食べ物が原曲には「Tea(紅茶)」と「Jam and bread(ジャムとパン)」以外まったく登場しない点です。
英語の歌詞は、音階の響きそのものを単語に見立てる「同音異義語(Homophone)」の知的なライミング(押韻)に基づいています。例えば、「Do」に対して「Doe(雌鹿)」、「Re」に対して「Ray(光線)」、「Mi」に対して「Me(自分)」というように、耳で聴いた音そのものが単語として成立する仕組みです。
一方、1961年にNHK『みんなのうた』で紹介され、1962年にレコード発売されたペギー葉山氏の訳詞は、英語の言葉遊びをそのまま日本語に直訳するのではなく、「子どもたちの情景に浮かぶ身近な事物」へと大胆に再構築したものでした。ペギー葉山氏は生前のインタビュー取材において、「アメリカの歌詞をそのまま訳しても、当時の日本の子どもたちにはピンとこない。日々の生活でワクワクする食べ物や風景を思い浮かべながら、手帳に言葉を書き留めて完成させた」と語っています。
| 音階 | 英語原曲(意味・仕掛け) | 日本語版(ペギー葉山訳) | 言語・教育的アプローチの差 |
|---|---|---|---|
| Do(ド) | Doe(雌鹿):同音異義語 | ドーナツ(お菓子) | 英語は「音の一致」、日本語は「頭文字の一致(頭韻)」 |
| Re(レ) | Ray(光線):同音異義語 | レモン(果物) | 英語は詩的な抽象美、日本語は味覚と色彩の具体化 |
| Mi(ミ) | Me(私自身):代名詞 | みんな(仲間) | 英語は「個」の視点、日本語は「集団・調和」の視点 |
| Fa(ファ) | Far(遠い):形容詞 | ファイト(応援の声) | 英語は空間の広がり、日本語は情緒的な励まし |
| Sol / So(ソ) | Sew(裁縫する):動作動詞 | あおいそら(自然風景) | 英語は生活の営み、日本語は視覚的開放感 |
| La(ラ) | La(次の音符):純粋な記号 | ラッパ(楽器) | 英語は「Sewの次」、日本語は具体的な音の出る道具 |
| Ti / Si(シ) | Tea(紅茶):飲食物 | しあわせ(感情状態) | 英語は温かい食卓、日本語は歌い終えた多幸感 |
【発音のコツと音声学】ネイティブのように歌える!脱カタカナの3大ポイント
英語の「Do-Re-Mi」を美しく歌うためには、文字通りカタカナを1音ずつ区切って読む「シラブル発音」から脱却し、英語特有の音の連結(リエゾン/リンキング)と音の脱落(リダクション)を意識することが不可欠です。
英語音声学およびボーカルトレーニングの観点から、劇中のジュリー・アンドリュースのように滑らかに歌い上げるための3つの核心テクニックを解説します。
① 子音と母音をつなげる「リンキング(連結)」をマスターする
「Doe, a deer」は「ドゥ、ア、ディアー」と区切らず、「ドゥア(Doe-a)」とひとつの単語のように繋げて発音します。同様に、「drop of golden sun」は「ドロップ・オブ」ではなく、「ドロッポヴ(drop-of)」と発音することで、楽曲の軽快な8分音符のリズムに完璧に合致します。「name I」も「ネイマィ(name-I)」と連結させます。
② 「Sew」と「Tea」の発音位置を正確に捉える
日本人学習者が最も間違いやすいのが「Sew」と「Tea」です。「Sew」の綴りは縫うという意味ですが、発音記号は /soʊ/ であり、「ソウ」と発音します。決して「シー」や「スウ」にはなりません。また、英語圏では音階の「シ」を「Ti」と表記・発音するため、「Tea(/tiː/)」と完全に重なります。歯茎に舌先をしっかり当てて破裂させる強い「ティ」の音を意識します。
③ 語尾の「d」や「t」を破裂させずに飲み込む(リダクション)
「thread」「bread」「back」などの単語末尾の子音は、「スレッド」「ブレッド」と母音「オ」を足さず、舌の位置だけを所定の場所に密着させて息を止めるイメージで歌います。「That will bring us back to Do」の「That」は「ザッ」、「back」は「バッ」と短く切ることで、メロディの推進力が格段に向上します。

【歴史と由来】1959年ブロードウェイから映画版ジュリー・アンドリュースへの軌跡
「ドレミの歌」が世界的なスタンダードナンバーとなった背景には、20世紀最高峰のミュージカル創作コンビであるリチャード・ロジャース(作曲)とオスカー・ハマースタイン2世(作詞)の卓越した職人技が存在します。
1959年にニューヨーク・ブロードウェイで初演された舞台版『サウンド・オブ・ミュージック』では、名女優メアリー・マーティンがマリア役を演じ、トニー賞ミュージカル作品賞を含む5部門を制覇しました。その後、1965年に20世紀フォックスによって映画化され、主演を務めたのがジュリー・アンドリュースです。
ジュリー・アンドリュースは自伝や当時の撮影回想録において、「オーストリア・ザルツブルクの丘陵地帯で子どもたちと撮影した『Do-Re-Mi』のシークエンスは、音楽が持つ純粋な喜びをスクリーンに焼き付ける作業だった」と振り返っています。音楽理論の初歩であるソルフェージュ教育のプロセスそのものを、極上のエンターテインメントへと昇華させたこの楽曲は、公開から60年以上が経過した現在も色褪せることなく、世界中の教育現場や劇場で愛され続けています。
【実態検証】子供向け英語教育動画の活用実態と現場で見えたリアル
YouTubeや教育アプリが普及した教育現場において、「子供 英語 ドレミの歌 動画」という検索キーワードの需要は極めて高く維持されています。幼児英語教室やインターナショナルスクールの教育現場を調査すると、歌を活用した音感・語感トレーニングとして原曲「Do-Re-Mi」は鉄板の教材と位置づけられています。
一方で、SNSや知恵袋などの保護者コミュニティでは、家庭学習におけるリアルな戸惑いの声も確認できます。
【保護者・指導現場から寄せられる生の声】
・「『ドはドーナツ』に慣れ親しんでいた子どもに英語の動画を見せたら、『なんでシカ(Doe)なの?』と混乱していた」(4歳児の保護者)
・「英語のフォニックス(発音と文字の規則)を学ぶ前段階として、リズムに合わせて英単語を口ずさむにはこれ以上の教材がない」(英語教室講師)
・「アニメーション付きの公式動画を見せることで、英単語の意味(deer, needle, threadなど)を自然と視覚的に理解できるようになった」(5歳児の保護者)
日本語版とのギャップに当初は驚く子どもが多いものの、視覚的なアニメーションや映画の劇中映像と組み合わせることで、「音階の名前がそのまま別の単語の意味になっている」という言葉の多面性に気づく知的体験へと発展している実態が見て取れます。

一般に知られていない盲点とネットの誤解|「シ」が「Ti」になる音楽的理由
ネット上の掲示板や質問サイトで定期的に議論されるのが、「なぜ英語のドレミの歌では『シ(Si)』ではなく『ティ(Ti)』と歌われているのか?誤りではないのか?」という疑問です。
これは誤りではなく、19世紀にイギリスで確立された「トニック・ソルファ(Tonic Sol-fa)法」という正規の記譜・教育システムに基づいています。
イタリア発祥の原初的な音階表記では「Ut-Re-Mi-Fa-Sol-La-Si」が用いられていましたが、イギリスの音楽教育者ジョン・カーウェン(John Curwen)やサラ・グラヴァー(Sarah Glover)らが英語圏向けに音階指導法を改良した際、決定的な問題が生じました。音階の頭文字を略記する際、「Sol(ソ)」と「Si(シ)」がいずれも「S」で重複してしまい、楽譜表記上での混乱を招いたのです。
この重複を回避するため、7番目の音階「Si」の頭文字を変更し、子音を「T」に変えて「Ti(ティ)」と呼ぶルールが英語圏全域に普及しました。オスカー・ハマースタイン2世はこの音楽教育の歴史的背景を前提として、韻を踏む単語に「Tea」を選定したというわけです。
【プロの結論】英語ドレミの歌が向いている学習者・慎重になるべき人の判断基準
言語習得および音楽教育の専門的視点から、原曲「Do-Re-Mi」を用いた学習が適している対象者と、アプローチに慎重を期すべき対象者の条件を明確に提示します。
✅ 英語の「ドレミの歌」を積極的に取り入れるべき人
・幼児〜小学生低学年の英語学習者: 英語特有のイントネーション、母音の伸び、リズム感を体感的に刷り込む教材として最適。
・ミュージカル・声楽の初学者: 劇中のジュリー・アンドリュースのように、明瞭な発声と自然なリンキング(音の繋がり)を同時に習得したい学習者。
・英語の言葉遊び(Pun)を楽しみたい中級者: 同音異義語を用いたウィットに富んだ歌詞構成を分析し、語彙力と表現の幅を広げたい層。
⚠️ 導入にあたってアプローチの工夫が必要な人
・日本語版のイメージが極めて強固な幼児: 日本語の「ドーナツ」と英語の「Doe(鹿)」の乖離に拒絶反応を示す場合があるため、無理に意味を覚えさせず、まずはメロディとリズムに乗って音を真似させるアプローチが推奨される。
・厳密な文法学習のみを目的とする学習者: 歌詞の一部(「La, a note to follow Sew」など)は語呂合わせを優先した構造になっているため、構文解析の教材としてではなく、音感・リスニング強化用として割り切る必要がある。
【ドレミの歌 英語】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:英語のドレミの歌に出てくる「Sew」はなぜ「ソ」と読むのですか?
A1:「Sew(縫う、裁縫する)」という動詞の発音記号は /soʊ/ であり、日本語の「ソウ」に近い音になります。「So(だから、とても)」と完全に同一の発音であるため、音階の「Sol / So」に重ね合わされて歌詞に採用されました。
Q2:映画『サウンド・オブ・ミュージック』の劇中では、どの場面で歌われますか?
A2:厳格な海軍将校トラップ大佐の留守中、家庭教師のマリアが7人の子どもたちを連れてザルツブルクの街や自然の中へ出かける名シーンで歌われます。歌うことを禁じられていた子どもたちが、音楽の基礎を教わりながら心を開放していく劇中の最重要ターニングポイントです。
Q3:子供に英語歌詞を教える際、カタカナを見せても大丈夫ですか?
A3:補助としてカタカナを用いること自体は問題ありませんが、一般的な日本語の50音ではなく、本記事で紹介した「ドロッポヴ」「ネイマィ」のようにリンキング(音の連結)を反映させた実践的カタカナを用いることが重要です。可能な限り公式動画や音源の音声を耳で聴かせ、口真似(シャドーイング)させる手法が最も効果的です。
Q4:日本語版のペギー葉山さんの訳詞は、海外でも知られていますか?
A4:ペギー葉山氏の訳詞は日本国内で独自の発展を遂げた文化的遺産ですが、その完成度の高さから海外の音楽関係者や言語学者からも「原曲のスピリットを壊さずに自国の児童文化に適合させた見事な翻案(ローカライズ)」として高く評価されています。
まとめ:名曲の背景を知ることで広がる英語教育と音楽の楽しみ方
慣れ親しんだ「ドはドーナツのド」から一歩踏み込み、英語原曲「Doe, a deer」の世界を紐解くと、そこには20世紀ミュージカル界の巨匠たちが仕掛けた緻密な言葉遊びと、音楽教育の歴史的知恵が詰まっています。
単なる音階の暗記ソングにとどまらず、美しい英語の母音の響き、子音のキレ、そして流れるようなリンキングを自然に体得できる教材として、原曲「Do-Re-Mi」は時代を超えた価値を放ち続けています。家庭での英語学習やカラオケ、合唱の場において、言葉に込められた本来の情景と発音のポイントを意識しながら、ぜひ親子や仲間とともに声高らかに歌ってみてください。 (出典: ドレミ の 歌 英語(Yahoo!ニュース))