WANIMA「やってみよう」歌詞の意味と元ネタ『ピクニック』の全貌
au三太郎CMの正月特番で初解禁されて以来、教育現場の運動会ダンスから社会人のモチベーションソングに至るまで、世代を超えて日本人の背中を押し続けているWANIMAの『やってみよう』。童謡『ピクニック』の親しみやすいメロディに高速のメロディック・ハードコアサウンドを融合させ、「正しいより 楽しい やってみよう」とシンプルかつ力強く叫ぶこの楽曲は、なぜこれほどまでに多くの人々の心を揺さぶり続けるのでしょうか。
本稿では、2017年3月8日の配信発売日以降、WANIMAの代表的な応援歌人気曲として不動の地位を築いた本作の歌詞に秘められた哲学的・心理学的メッセージを深掘りします。イギリス民謡をルーツとする原曲の歴史的背景から、三太郎シリーズCM曲歴代作品との構造的比較、ギターのコード進行、運動会で定番化した理由まで、現場目線と音楽・社会学的分析を交えて徹底検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:WANIMA『やってみよう』はイギリス民謡を原曲とする童謡『ピクニック』を大胆にパンクロックへ昇華させたau三太郎CM発の国民的応援歌。
- 要点2:歌詞の真髄は「完璧主義の解体」にあり、「正しいより楽しい」「倒れるなら前へ」という失敗受容の心理的安全性を提示している。
- 要点3:初級者向けの明快なギターコードと跳ねるリズムが、運動会ダンスや合唱、企業研修など幅広い実生活シーンでの高い汎用性を生み出している。
【楽曲の深層】WANIMA『やってみよう』歌詞の全貌と込められた心理的メッセージ
WANIMAの『やってみよう』の歌詞は、CMプランナーの篠原誠氏が手掛けた原案をもとに、ボーカル・ベースのKENTAがWANIMA独自のエモーショナルな息吹と節回しを吹き込んだことで完成しました。リスナーが口ずさみやすい「歌詞のふりがな」を意識したリズミカルな言葉選びでありながら、その根底には行動心理学における「行動活性化」の神髄が凝縮されています。
冒頭の「正しいより 楽しい 正しいより 面白い」というフレーズは、減点方式の評価や正解主義に縛られがちな現代人の思考停止を鮮やかに打ち破ります。大人は往々にして「失敗しない選択(=正しい道)」を優先し、自らの可能性を狭めてしまいがちです。しかし本作は、「誰でも最初は初心者なんだから、転んだ傷さえ思い出にしてしまえばいい」と、結果ではなく「未踏の領域に一歩を踏み出すプロセスそのもの」を絶対肯定してくれます。
さらに歌詞フルを通して聴くと、「振り返るな」と過去を断絶するのではなく、「思い通りにならない日も 振り返れば笑える話」と、過去の挫折すら未来の糧として包摂する温かさがあります。「倒れるなら 前に倒れよう」という泥臭くも力強いエールは、単なる精神論を超え、聴く者の自己効力感(Self-Efficacy)を強烈に底上げするトリガーとなっています。
元ネタは童謡『ピクニック』?イギリス民謡から生まれた名曲のルーツを解剖
「このメロディ、子どもの頃に歌ったことがある」と感じるリスナーの直感は完全に正解です。『やってみよう』のメロディの元ネタは、日本の音楽教科書や合唱でおなじみの童謡『ピクニック』(「丘を越え行こうよ 口笛吹きつつ…」)です。さらにその源流を辿ると、19世紀以前から歌い継がれてきたイギリス民謡に行き着きます。
元来、牧歌的で平和な情景を描いていたトラディショナル・フォークソングが、なぜWANIMAの手によって熱狂的なパンクロックへと生まれ変わったのか。そこにはau三太郎シリーズのクリエイティブチームが仕掛けた綿密な音楽戦略が存在します。
日本人のDNAに刷り込まれた「誰もが知っているメロディ」をベースに据えることで、初聴時の認知的負荷を劇的に下げ、その上でWANIMAの持ち味である爆発的なツービートと伸びやかなハイトーンボイスを衝突させる。この「既視感(安心感)× 圧倒的新鮮さ(疾走感)」のハイブリッド構造こそが、老若男女を問わず一瞬で惹きつける爆発力の源泉泉となりました。
歴代au三太郎CMソング徹底比較|なぜ『やってみよう』は社会現象化したのか
KDDIのau三太郎シリーズは、数々のミリオンヒットや社会現象ソングを世に送り出してきました。歴代の代表曲と本作を客観的データ・音楽的アプローチから比較すると、『やってみよう』の特異性がより鮮明に浮かび上がります。
| 楽曲・アーティスト | 原曲・ルーツ | 配信・発売時期 | 楽曲の特性・主な反響 |
|---|---|---|---|
| 『海の声』 浦島太郎(桐谷健太) | オリジナル(島袋優 作曲) | 2015年12月 | 三線を取り入れた切ないバラード。日本レコード大賞優秀作品賞を受賞し、幅広い世代に浸透。 |
| 『みんながみんな英雄』 AI | アメリカ民謡(オクラホマミキサー) | 2016年1月 | ソウルフルなゴスペル調アレンジ。「特別じゃなくていい」という自己肯定感を提示。 |
| 『やってみよう』 WANIMA | イギリス民謡(童謡『ピクニック』) | 2017年3月 | 疾走感あるメロコアアレンジ。運動会・部活動・卒業シーズンの定番応援歌として定着。 |
| 『見たこともない景色』 菅田将暉 | オリジナル(飛内将大 作曲) | 2017年6月 | サッカー日本代表応援ソング。ストレートな情熱を歌う骨太なストレートロック。 |
歴代のCMソングが「哀愁」や「連帯感」を前面に押し出していたのに対し、『やってみよう』は「能動的なアクションの喚起」に特化しています。正月CMという「1年の始まりに新たな挑戦を決意する瞬間」と完璧にシンクロしたことが、単なるCMタイアップの枠を超えたロングヒットにつながりました。

【実態検証】運動会ダンスからギター演奏まで!現場で選ばれ続ける3つの理由
リリースから年月を経てもなお、『やってみよう』が教育現場やアマチュア演奏者の間で選ばれ続けている背景には、3つの極めて実用的な要因が存在します。
第1に、全国の幼稚園・小学校における「運動会ダンス・表現運動」での圧倒的な扱いやすさです。BPM(テンポ)が約160〜170と程よく疾走感があり、裏打ちの軽快なリズムは子どもたちが身体を動かしやすく、旗やポンポンを使ったマスゲームとも抜群の相性を誇ります。保護者世代にとっても原曲『ピクニック』の親しみがあるため、会場全体の一体感を短時間で生み出せます。
第2に、アコースティックギターやエレキギターの「初心者向け練習曲」としての優秀さです。基本的なコード進行は【 C - G - Am - Em - F - C - Dm - G 】といった王道のダイアトニックコードを中心に構成されており、バレーコード(Fなど)の簡易フォームを使えば、楽器を始めたばかりのビギナーでも数時間〜数日でワンコーラスを弾き語りできます。「やってみよう」という曲名通り、楽器演奏の第一歩を踏み出す教材としても機能しているのです。
第3に、YouTubeやSNSを中心とした二次創作・踊ってみた動画との親和性です。チアリーディング、ブラスバンド部による吹奏楽アレンジ、企業の入社式余興など、多種多様なフォーマットへの改変に耐えうる強固なメロディラインが、デジタル空間での拡散を継続的に後押ししています。
一般に知られていない盲点とネットの誤解
本作に関してネットコミュニティやSNSで散見される誤解として、「原曲のピクニックをそのままカバーしただけではないか」「無責任なポジティブ思考の押し付けではないか」という論調があります。しかし、実際の楽曲構造を精査すると、そうした見立てが的を射ていないことが分かります。
まず楽曲構造の面において、WANIMAはサビの骨格こそ民謡のラインを継承しつつも、Aメロ・Bメロ・ブリッジ部分には独自のコードボイシングとメロディック・ハードコア特有のダイナミクスを緻密に組み込んでいます。単なるカバーではなく、原曲の素材を再構築した「クリエイティブ・オマージュ」と呼ぶべき仕上がりです。
また、歌詞の精神性についても「努力すれば必ず夢は叶う」という類の結果至上主義的な楽観論は一切語られていません。歌われているのはあくまで「失敗しても笑い飛ばせるメンタリティ」と「未知への好奇心」です。悲観やプレッシャーを否定するのではなく、「転ぶ前提で飛び込む勇気」を肯定している点に、本作が押し付けがましさを感じさせない本質的な理由があります。

【プロの結論】失敗を恐れる日本社会へ贈る「やってみよう」の行動心理学的価値
社会心理学や臨床心理学の観点から見ると、日本社会において根深い「過剰な同調圧力」や「失敗に対する過敏な恐怖心(アティチュード・オブ・フィアー・オブ・フェイリアー)」は、個人の自己表現やキャリア形成を阻害する大きな要因となっています。失敗を回避しようとするあまり、行動そのものを躊躇してしまう「分析麻痺(Analysis Paralysis)」に陥る人は少なくありません。
『やってみよう』が提示する価値観は、まさにこの心理的トラップを解除する特効薬です。「正しいか・間違っているか」という二元論の評価軸を、「楽しいか・面白いか」という内発的動機づけ(Intrinsic Motivation)へと鮮やかにシフトさせます。
失敗を「経歴の汚点」ではなく「人生のネタ・思い出」としてリフレーミング(意味の再定義)するWANIMAのメッセージは、子どもたちへの情操教育としてはもちろん、新規事業やリスキリングに挑むビジネスパーソンにとっても、健全な心理的安全性を獲得するための最も実践的な人生訓と言えます。
【やっ て みよう 歌詞】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:WANIMAの『やってみよう』のフルバージョンはどのアルバムに収録されていますか?
A1:2017年3月8日に配信限定シングルとしてリリースされた後、2018年1月17日に発売されたWANIMAのメジャー1stフルアルバム『Everybody!!(エビバデ)』の8曲目に収録されています。
Q2:童謡『ピクニック』と歌詞はどのように違いますか?
A2:童謡『ピクニック』は「丘を越え行こうよ」「アヒルのガーガー」といった動物の鳴き声やのどかな自然風景を歌ったものですが、WANIMA版はメロディの一部を借用しつつ、歌詞は「正しいより楽しい」「倒れるなら前へ」という挑戦と自己肯定をテーマにした完全オリジナルの応援歌となっています。
Q3:ギター初心者でも簡単に弾けますか?必要なコードを教えてください。
A3:非常に弾きやすい楽曲です。キーをC(ハ長調)に移調またはカポタストで調整すれば、基本コードである「C」「G」「Am」「Em」「F」「Dm」の組み合わせだけで大部分を演奏可能です。Fコードが難しい場合は「Fmaj7」などの省略コードで代用しても綺麗に響きます。
Q4:運動会や体育祭のダンス曲として使用する際のポイントは?
A4:BPMが速いため、低学年の場合はカウントを倍(2拍で1挙動)に設定して大きくジャンプや手拍子を取り入れ、高学年の場合はサビで細かいステップや隊形移動を組み込むと見栄えが良くなります。
まとめ:迷ったときの合言葉として響き続ける名曲の真価
WANIMAの『やってみよう』は、単なる企業のコマーシャルソングの領域を遥かに飛び越え、挑戦に躊躇するすべての現代人に寄り添う「行動のアンセム」として定着しました。イギリス民謡から受け継がれた親しみやすいメロディと、KENTAたちのエネルギッシュな言葉が融合したこの曲は、完璧を求めすぎて立ち止まりそうな時、いつでも「まず一歩を踏み出す身軽さ」を思い出させてくれます。
新しい環境に飛び込む時、誰も歩いたことのない道を進む時、あるいは挫折して立ち止まりそうな時――。「正しいより 楽しい やってみよう」というシンプルなフレーズを心で口ずさむだけで、目の前の景色は確実に変わり始めるはずです。 (出典: やっ て みよう 歌詞(Yahoo!ニュース))