お葬式の髪型マナー徹底解説!実はNGな結び方と男女・長さ別の正解
突然の訃報を受けて通夜や葬儀に参列する際、喪服の準備と並んで頭を悩ませるのが「髪型をどう整えるべきか」という身だしなみのマナーです。普段通りのヘアスタイルや何気なく選んだヘアゴムが、知らず知らずのうちに弔事の席でマナー違反となり、周囲に悪目立ちしてしまうケースは少なくありません。
葬儀におけるヘアスタイルの基本原則は「清潔感」と「控えめさ」、そして「お辞儀をしたときに乱れないこと」です。本稿では、葬祭ディレクターの現場知見やマナー指針をもとに、女性・男性・子供別の正しい整え方から、やりがちなNG例、明るい髪色の緊急対処法までを詳しく整理しました。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:髪を結ぶ位置は「耳より下(後頭部の低い位置)」が鉄則であり、耳より上の高めポニーテールやお団子は慶事用と見なされNG。
- 要点2:髪留めは光沢・飾りのない「黒のゴム」「マットなバレッタ」に限定し、お辞儀や焼香で顔に髪がかからないようシニヨンネットやピンで固定する。
- 要点3:茶髪やインナーカラーは黒染めスプレーやまとめ髪で露出を抑え、スタイリング剤はツヤ・香りのないマット系を選ぶのが基本マナー。
【マナー違反の境界線】お葬式の髪型で実はNGな結び方と装飾の落とし穴
通夜や告別式において、最も避けなければならないのは「華やかさ」や「オシャレ感」を前面に出してしまうことです。弔事は故人を偲び、遺族に寄り添う厳粛な場であるため、慶事(結婚式やパーティー)を想起させるアレンジは明確にマナー違反と見なされます。
特に見落とされがちな代表的NG例が結ぶ位置の高さです。後頭部の高い位置で作るハイポニーテールやお団子ヘアは、活動的・華美な印象を与えるため不適切とされています。必ず耳より下のライン、襟足に近い位置で一つにまとめるのが不変のルールです。
また、近年のトレンドである「おくれ毛(触覚ヘア)」や「無造作なこなれ感」を演出するルーズなアレンジも、葬儀の場では「だらしない」「不潔」と受け取られます。さらに、ヘアアクセサリーの素材選びにも厳格な基準が存在します。
葬儀用として適しているのは、光沢のないシンプルな黒のヘアゴムや、金具が露出していない黒のバレッタ、黒のシニヨンネットのみです。プラスチックのツヤがあるもの、サテンやラメ素材、べっ甲、ゴールド・シルバーの金具、リボンが大きいものは絶対に避けてください。
もう一つの重要な視点が、参列・焼香時のヘアマナーです。焼香やお焼香前の遺族・僧侶への一礼の際、お辞儀をするたびに両手で髪をかき上げたり、前髪が目元を覆い隠したりする仕草は、動作として見苦しく不敬にあたります。一度のお辞儀でも崩れないよう、サイドや前髪をピンで確実に留めておく配慮が求められます。

【長さ別・女性編】ロング・ボブ・ショートの正しい整え方とまとめ髪
女性の髪型はレングスによって求められる整え方が異なります。肩に付く長さを基準に、適切なまとめ髪やブローを行いましょう。
ロングヘア・セミロング:一つ結びまたは「まとめ髪シニヨン」
肩甲骨あたりまであるロングヘアは、ただ束ねるだけでなく毛先の広がりを抑える工夫が必要です。襟足近くで一つに結んだ後、毛束を三つ編みやロープ編みにして丸め、シニヨン(お団子)を作ります。この際、毛先が飛び出さないように葬儀用のお団子ヘアネットを被せ、オニピンやUピンで固定すると、終日崩れる心配がありません。
ミディアム・ボブ:ハーフアップまたは耳掛け内巻き
肩に毛先が触れる程度のミディアムヘアは、可能であれば一つ結びにします。襟足の短い毛が落ちてきて結びきれない場合は、サイドの髪を後ろでまとめるハーフアップが許容されます。ただし、ハーフアップは本来「結べない長さのための例外措置」であるため、毛束を耳より低い位置で留め、余計な飾りを付けないことが前提です。
顎ラインのショートボブは結ぶ必要はありませんが、毛先をアイロンやドライヤーで内巻きにブローし、横の髪を両耳にかけて顔周りをすっきり露出させます。動いた際にパラパラと落ちてくるサイドの毛は、耳の後ろで目立たない黒のアメピンを使って固定してください。
ショートヘア:前髪の処理と耳出しが清潔感の鍵
ショートヘアの場合、最も注意すべきは前髪が目にかかるマナー違反です。前髪が目や眉を覆っていると表情が暗く見え、焼香の際にも邪魔になります。前髪は左右どちらかに斜めに流して額を出し、必要に応じてピンで留めます。襟足やサイドが広がらないよう、適量のスタイリング剤でコンパクトに整えましょう。
【データ比較】髪型・アイテム別マナー基準一覧表
葬儀の場にふさわしい身だしなみの基準を、レングス・アイテム・性別ごとに整理しました。参列前の最終確認としてご活用ください。
| 項目 | 詳細・数値データ | 一般的な基準・相場 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 結ぶ位置(女性) | 耳のラインより下(襟足から5cm以内) | 耳上はNG、後頭部下部での1本結びが標準 | 最も厳格に見られるポイント。低位置シニヨンが最も格式高い。 |
| ヘアアクセサリー | 光沢なし黒ゴム/マット調バレッタ/シニヨンネット | 金具・装飾(パール含む)の露出は原則不可 | 100円ショップやコンビニの黒無地ヘアゴムで十分に対応可能。 |
| 男性のスタイリング | 七三分けまたはセンターパート(額・耳の露出) | 寝癖・ボサボサ髪は厳禁。襟足はワイシャツにかからない長さ | ツヤ系ジェルではなく、無香料・マット系ワックスで固定が鉄則。 |
| 髪色基準(トーン) | 自然な黒髪〜ダークブラウン(7レベル以下) | 8レベル以上の明るい茶髪・金髪は要トーンダウン | 一時的な黒染めスプレーやまとめ髪による明度隠しが必須。 |
| 整髪料の香り・質感 | 無香料(微香性も避ける)/マット(無光沢)質感 | ウェット系・ジェル・強香料はマナー違反 | 式場の線香や焼香の香りを邪魔しない無香料タイプが必須条件。 |

【メンズ・子供編】男性と学生・乳幼児が守るべき清潔感と身だしなみ
男性や子供の髪型についても、女性同様に「清潔感」と「控えめさ」が評価の軸となります。
男性のヘアスタイル:眉・耳・襟足をすっきり見せる
男性の葬儀マナーにおいて最も重要なのは、顔全体を明るく清潔に見せることです。前髪が眉にかかっている場合は、七三分けやセンターパートにして額をしっかりと出します。サイドの髪は耳にかけ、もみあげや襟足が伸びすぎている場合は参列前に整髪用シェーバーなどで整えましょう。
パーマをかけている方やツーブロックの方は、サイドの刈り上げ部分を無理に隠す必要はありませんが、トップのボリュームを抑え、毛先を遊ばせないように撫で付けます。長髪の男性は、女性と同様に耳より下の位置で黒ゴムを使って一つに束ねるのが礼儀です。
スタイリング剤の選び方:無香料・マットが絶対条件
スタイリング剤を使用する際は、ツヤ感や濡れ感が出るグリース、ジェル、オイルの多用は避けてください。華美で軽薄な印象を与えてしまう恐れがあります。ツヤを抑えたマット系ワックスや、ホールド力の高い無香料スプレーを少量使い、後頭部やトップの広がりを抑える程度に留めます。また、式場内は香炉の煙やお線香の香りが立ち込めるため、香料入りの整髪料は厳禁です。
子供・学生のヘアスタイル:校則に準じた自然な姿
幼児から大学生までの参列の場合、基本的には「学校の校則で認められている範囲」であれば問題ありません。男児・女児ともに寝癖を直してブラッシングし、目にかかる前髪はピンで留めるか切り揃えます。女の子の長い髪は、黒や濃紺・茶色の目立たないヘアゴムで一つ結びまたは二つ結びにします。キャラクター付きのヘアゴムやカラフルなピンは外し、制服または落ち着いた平服にふさわしい清潔な状態を保ちましょう。
【実態検証】明るい髪色はどうする?茶髪・インナーカラーの緊急対処法
葬儀の現場で非常に多い相談が、「明るいヘアカラーやインナーカラーを入れているが染め直す時間がない」という問題です。元葬祭ディレクターら現場スタッフの証言によると、現在では極端な金髪や原色カラーでない限り、落ち着いたダークトーンであれば咎められることは少なくなっています。しかし、8トーン以上の明るい茶髪やハイライト、派手なインナーカラーは、遺族や親族の心象を害するリスクがあります。
急な参列で染め直しが間に合わない場合の具体的な対処法は以下の通りです。
- 一時着色用の黒髪スプレー(1日用):ドラッグストアやコンビニで入手できる黒染めスプレーを使用します。ただし、喪服の襟元にスプレーの黒粉が付着して汚れるトラブルが多発するため、スプレー時は首元にタオルを巻き、完全に乾いたことを確認してから喪服を着用してください。また、雨天時は色落ちして雫が黒くなる恐れがあるため、傘や撥水対策を徹底する必要があります。
- ヘアファンデーション・マスカラの局所使い:インナーカラーや生え際の明るい部分だけであれば、パウダー状やマスカラタイプの白髪隠し・ヘアファンデーションを塗布するのが最も安全です。粉飛びや衣服への色移りリスクがスプレーより大幅に低減されます。
- シニヨン結びで内側に巻き込む:インナーカラーの場合、毛束を内側に折り込みながらシニヨンを作り、黒のシニヨンネットで全体を包み込むことで、表面から明るい色を完全に隠すことが可能です。

一般に知られていない盲点とネットの誤解
ネット上のマナー情報には、時に極端な解釈や古い慣習に基づく誤解が散見されます。現場の実情と照らし合わせた真実を確認しておきましょう。
誤解1:「黒いリボンが付いたバレッタなら何でもマナー違反ではない」
「黒色であればデザインは何でも良い」と考えるのは危険です。サテン生地やオーガンジーなどの光沢素材、大きなリボン、中央にラインストーンやパールがあしらわれたバレッタは、黒色であっても慶事用です。葬儀で使用できるのは、装飾のないフラットな布張り(グログランなど)のバレッタに限られます。
誤解2:「家族葬なら髪型やマナーは自由で構わない」
参列者が限定される家族葬であっても、故人を弔う儀式である本質は変わりません。むしろ近親者のみの空間だからこそ、だらしない身だしなみや派手な髪型は親族間で強い不快感を生む要因になります。一般葬と同等以上の敬意を持った整え方が求められます。
誤解3:「真珠(パール)のヘアアクセサリーは弔事でも許される」
ネックレスやイヤリングにおいて真珠は弔事の正装として認められていますが、ヘアアクセサリーにおける真珠の使用は原則としてNGです。頭部に宝石や光物を付けること自体が慶事の装飾とみなされるため、髪には一切のジュエリー類を用いないのが正しいマナーです。
【プロの結論】弔事の装いにおける心理的配慮と失敗しない判断基準
葬儀における身だしなみやヘアスタイルのルールは、単なる形式的な縛りではありません。その本質は「自己表現の抑制」と「場に対する心理的配慮(バウンダリーの尊重)」にあります。
通夜や告別式において、空間の中心にいるべきは故人と深い悲しみの中にあるご遺族です。参列者の装いや髪型が過度に主張したり、だらしなく乱れたりしていると、厳粛な場の空気を乱し、遺族の感情的な平穏を侵害してしまいます。髪を低く結び、顔周りをすっきりと整える行為は、「私は自身の個性を控え、故人を静かに見送る一員としてここにいます」という敬意の非言語的表明なのです。
身だしなみに迷った際は、「これは自分を美しく見せるためのアレンジか、それとも場に礼を尽くすための整え方か」という基準に立ち返ってください。自己を主張せず、清潔で静謐な佇まいを意識することこそが、最大の供養となります。
【お葬式の髪型】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:パーマヘアをストレートアイロンで伸ばして参列すべきですか?
A1:無理にストレートに伸ばす必要はありません。ただし、ウェーブによってボリュームが広がったり、毛先が跳ねたりしていると華美に見えるため、低めの位置で一つ結びにしてシニヨンネットに収めるか、ワックスでボリュームを抑えてコンパクトにまとめましょう。
Q2:どうしても黒髪スプレーが手に入らない場合の応急処置はありますか?
A2:明るい髪色を完全に隠せない場合は、できる限り低い位置でタイトにお団子を作り、目の細かい黒のシニヨンネットで包み込んで表面積を最小限に抑えます。また、ドラッグストアや100円ショップで手に入る「黒の幅広ヘアバンド(無光沢・無地)」を使って生え際やトップの明るい部分をカバーするのも現場で使われる応急処置の一つです。
Q3:コンビニエンスストアで急遽買い揃えられる葬儀用ヘアアイテムは何ですか?
A3:ほとんどのコンビニエンスストアで「黒のヘアゴム(飾りなし)」「黒のアメピン」「無香料タイプのヘアスプレーやワックス」が常時販売されています。冠婚葬祭用の黒バレッタやシニヨンネットは大型店舗や駅ナカ店舗、ドラッグストアで見つかりやすいため、移動途中に立ち寄って調達することをおすすめします。
まとめ:故人への敬意を行動で示す身だしなみの心得
葬儀における髪型マナーは、難しいアレンジ技術を競うものではありません。基本となるのは以下のシンプルな原則です。
- 位置:耳より下の低い位置で一つに束ねる
- 装飾:光沢のない黒のゴム・バレッタ・ネットのみを使用する
- 顔周り:お辞儀の際に髪が垂れないよう、前髪やサイドをピンで固定する
- 色・質感:明るい髪色はトーンダウンさせ、ツヤや香りのないスタイリング剤を選ぶ
突然の別れに際し、慌ただしい中でも身だしなみを正しく整えることは、旅立つ故人への最後の礼儀であり、遺族の悲しみに寄り添う真摯な姿勢の表れです。参列前に鏡の前で一度お辞儀をし、髪が乱れないか確認してから式場へと向かいましょう。 (出典: お 葬式 髪型(Yahoo!ニュース))